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岡山県が誇る
「美作ヒノキ」×「倉敷帆布」

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美作ヒノキ

Photo: 岡山県森林組合連合会

岡山県のヒノキの生産量は全国一を誇り、ヒノキの生産県として有名です。その中核をなすのが美作(みまさか)地域で、その歴史は江戸時代までさかのぼります。

ヒノキはきめ細かい木肌で狂いが生じにくく、虫も付きにくい特長があることから、古くから法隆寺や伊勢神宮をはじめとした神社仏閣などで、建物の寿命に直結する柱や土台といった大切な箇所に多く使われています。

Photo: 岡山県森林組合連合会

「桧舞台」という言葉があるように、ヒノキは高級・一流の代名詞にもなっており、神聖な木として使われてきました。

ヒノキはまっすぐに育っている木なので、割って使っても曲がりが少なく、木工加工も容易な使いやすい木とされています。

資材工場に入荷した美作材ヒノキは、家具材料として使用するためにていねいに仕分けされました。

ヒノキは柔らかいので研磨、加工は過度な処理が行われないよう慎重に行います。木肌はとても触り心地が良く、アームトップの仕上がりは他のKチェアでは表現できないほどの気持ち良さです。

倉敷帆布

Photo: 倉敷帆布株式会社

日本で流通している帆布の多くが海外製ですが、倉敷市は国産帆布の約7割を生産する日本一の帆布産地で、この地で作られた一級帆布が「倉敷帆布」と呼ばれています。

1888年より伝統を紡ぎ、革新を織り続けてきた倉敷帆布の品質に大切な役割を果たすのが、130年以上受け継がれてきた高度な糸撚り技術です。綿100%の原糸数本を撚り合わせて生み出す、しなやかさと強さを併せ持った糸が紡がれます。

Photo: 倉敷帆布株式会社

紡がれた糸は、既に生産が終了している1960年代の旧式シャトル機によって時間をかけてゆっくりと丁寧に織られ、倉敷帆布独特の風合いが生まれます。

このようなシャトル機で織られた帆布は、生地の端まで均一に織られた「セルヴィッジ」と呼ばれる耳ができるのが特徴です。

使用する8号帆布は、カリモクの品質基準に則った所定の物性確認を終えた後、購買、製造、営業部門の各担当者が集まり、生地の最終確認とチェック、情報共有を行います。

今回の倉敷帆布には、Kチェアカバーでお馴染みのバイオ加工のほかに、撥水効果のあるパールトーン加工を施していますので、撥水の検証も行いました。

全てのカリモク製品は、試作品で耐久試験を行います。いくつかある試験のうち、上の写真は後脚の側方荷重試験となります。
Kチェアの後脚先端を側方から荷重できるよう専用の試験機で定められた方法により荷重をかけて状態を確認します。人が座った状況を再現するため、シート上には重りを乗せています。

試験の実施状態は可視化されていて、数値やグラフで確認する事ができます。加圧時に小さな音が発生し、データと目視で確認したところ、アーム下桟部分にひび割れが見られカリモクの合格基準には到達しませんでした。

そこで強度を担保するため、その後、アーム下桟のみホワイトアッシュ材に切り替え対応することにしました。

その後も試験を繰り返し、前回不合格となった後脚の側方荷重試験も問題なくクリア。繰り返し傾き試験(重りをのせた状態でモタレに力を加え、前脚を浮かせた状態から落とす試験)も合格しており、安心してお使いいただけるカリモク品質を実現することがでました。

試作品の仕上がりをナガオカさんにご確認いただきました。

「Kチェア」と「美作ヒノキ」「倉敷帆布」との相性はとても良く、その清々しいスタイリングと質感に高い評価をいただきました。

その後も細かい調整を重ね、本生産前にも関係者が集まって最終確認をします。生成り色の帆布のため、汚れに気を配りながらの張り作業や扱いがこれまで以上に求められ、ヒノキは柔らかい素材のため、各部品をより慎重に扱いながら組み立てられます。

岡山県が誇る高品質の「美作ヒノキ」と「倉敷帆布」を使用した特別なKチェアを、ぜひこの機会にお楽しみいただけたらと思います。