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COLUMN

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GREETINGS

カリモク60の現場より

リレーごあいさつ

初めまして、カリモクの加藤正俊と申します。このたびは、『カリモク60 スタイルマガジン k』に目を留めていただいてありがとうございます。

カリモクは、愛知県を拠点に家具作りをしている会社です。戦前の1940年、刈谷市の小さな木工所からスタートし、1960年代から国産家具の生産、販売を始めました。創業者である私の祖父の代から受け継がれてきた企業理念は「木製家具の製造販売を通じて、広く人間生活の向上に貢献する」というものです。社員が悩んだり、困難にぶつかったりしたときには必ずこの言葉に立ち返るよう、いつも言っています。

カリモク60は、そんな私たちが昔から大切に作り続けてきた家具を中心に、2002年に新しく立ち上げたブランドです。このブランドをスタートするまでは正直、カリモクという会社を存続していくためには名前を表に出さずに、別ブランドを立ち上げなければいけないかもしれないと考えていた時期がありました。私たちを取り巻く経済環境が変わり、価格競争が熾烈になるなか、大きくなった会社の名前が負担に感じられるようになっていたのです。

しかし、そのような考えを払拭してくれたのが、「Kチェア」や「ロビーチェア」でした。家具作りをはじめた1960年代の当初から作り続け、カリモクの社員にとってはもはや見慣れてしまっていた一連の家具。それらが40年以上の時を経て、思いがけず新しい可能性を示してくれました。

思えば私が入社した頃、いまではもう亡くなってしまった商品管理などの仕事をしていた部長さんが、あるとき「ロビーチェア」を指して「カリモクはこういう商品を大事にしている」と言ったことがありました。当時、私にはその意味がよく理解できませんでした。しかしあらためて考えると、あの人が言っていたことは「ロビーチェア」にカリモクの原点が凝縮されているということだとわかります。シンプルで丈夫で飽きがこない、長く人々に愛される家具。それは私たちが家具作りでやっていこうと決めたときから目指していたものでした。

カリモク60を立ち上げたおかげで、私たちは自分たちのカリモクという名前に、そして家具を作り始めた頃の初心に立ち返ることができました。2002年のブランドの立ち上げから約20年。私たちの原点であるカリモク60とともに、カリモクという会社のこともよく知っていただければ非常にうれしく思います。そして、みなさんの暮らしを少しでも楽しくするお手伝いができたなら、私たちにとってこれ以上の喜びはありません。

カリモク家具 取締役社長
加藤正俊

Relay member
  • Masatoshi Kato

    カリモク家具
    取締役社長

  • Ikuji Yamada

    カリモク60
    ブランド統括責任者

  • Satoshi Kusakabe

    カリモク60
    ブランドマネージャー

  • Kenmei Nagaoka

    カリモク60
    クリエイティブディレクター

Photo:
Shintaro Yamanaka