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COLUMN

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PEOPLE

人のはなし

「木と人の家具カリモク」の人についてお話しします。

ブランドマネージャー、
マレーシア工場へ

カリモク60に使われているラバートリー(ゴムの木)は遠くマレーシアで製材、木取りされて運ばれてくる。現地の工場でどんなふうに加工されているのか。ブランドマネージャーの小島敏彦が現地までひとっ飛び。

マラッカにあるカリモクマレーシアに到着! 1988年の設立以来変えていないという看板、かなり風化してます、お疲れさまです。
まずは工場の敷地をざっと見学。伐採したゴムの木が無造作に積んである景色は、整然とした日本の工場と違ってどことなく、のどか。
工場内でバナナがなっている木を発見! 近くにはマンゴーの木も。いったい……?
カリモクフルーツガーデンとの看板が。空いている敷地で自分たちも木を育ててみようと思ったのが発端だそう。果実は持ち帰りOK。
ゴム園で、ゴムの原木を見せてもらうことに。スコールが降り続くと、道がぬかるんで辿り着くのが大変とのこと。
樹齢約7年のゴムの木の林。樹齢5~25年は樹液を採取。その後、ただ伐採して焼いていたのを、カリモクの家具用材として利用するように。
樹液を採取するタッピングの専門業者さん。漆掻きと同じ要領で、木を傷めないよう薄く幹に傷をつけるのが熟練の技。
削るとすぐにじゅわっと白い樹液がしみ出してくるので、針金で吊るしたバケツで受ける。
ゴム園を出て昼食。赤いお椀に入っているのが、スペアリブを薬膳スープで煮込んだ「バクテー」というマレーシア料理。これはイケる!
工場に戻って今度は製材工程を見せてもらうことに。ほぼ毎日、トラック1台分の原木がゴム園から運ばれてくるらしい。
製材の前に、金属探知機で釘が入っていないかをチェック。
探知機が鳴ると、鉈(なた)のような道具でガンガン叩いて、釘を取り除く、の繰り返し。地道な作業だが、安全確保には必要だ。
丸太から切り出した板材の表裏を見て選別。欠点のある板を除くと、家具用材として残るのはたった3割! あとは砕いてチップに。
防腐処理の機械。高温多湿で放っておいたらすぐに虫がつきカビも生えるので、目薬と同じ成分の薬品を注入して圧力をかける。
選別をして、防腐処理の機械に入れる前の板がこちら。
2時間ぐらい防腐処理をかけたら、うっすらと赤みを帯びた色に。
次は高圧水蒸気の処理。水蒸気がまんべんなく行き渡るよう、金属板を板材の間に挟む。なんと、この積み替え作業はすべて手作業!
高圧水蒸気の窯は、全部で4基。一度に大量には処理できないので、需要が多いと24時間交代制になるんだとか。
高圧水蒸気処理の担当は、出稼ぎに来ているバングラディシュ人のチーム。カメラを構えると、みんなにっこりピースサイン。
高圧水蒸気処理後は、金属板を取り除いて乾燥処理に。接地面が少ないH型の桟木を入れて積み替える。もちろんこれも手作業。
気候上、天然乾燥はできないので、乾燥炉で熱風を当てて乾燥させる。乾燥前と後の板の保管場所はこんな感じ。
厚み、長さ、幅を規格にあわせてカットして、さらに選別。
およそ1か月かかる全工程が終了すると、日本へ出荷。荷造り担当の彼も、ほんといい笑顔でした!

現在、カリモクマレーシアでは、高圧水蒸気の釜を使った工程はありません。
高圧水蒸気処理をしない木材の表面は、塗装前の研磨や塗装時に、毛羽立ちやすくなります。
カリモクマレーシアから木材を受け取った国内のカリモクグループ工場の職人たちが、毛羽をひとつひとつ丁寧に取り除き、仕上げています。

小島 敏彦Toshihiko Kojima

カリモク家具 カリモク60 ブランドマネージャー(〜2017年)

1986年カリモク家具販売(現カリモク家具)入社。営業、人事などを経て、カリモク60の立ち上げに参加。カリモクマレーシアで印象に残ったのは、お世辞にもきれいとは言いがたい元の木の状態。日本に入ってくるものがいかに厳しく選別され、丁寧に加工されているかを実感。あとは、働いている人たちのフレンドリーさ。創業当時からいる人も多く、いまや親子で働く人もいるとか。和気あいあいとして、素敵な現場でした!

Text:
Yuko Shibukawa
Photo:
Toshihiko Kojima