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COLUMN

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TREE

カリモク60の生い立ち
1940

江戸時代から続く家業の材木屋「白半」に出生した加藤正平が、愛知県刈谷市に木工所を創業、カリモクの歴史が始まりました。

1949

この時代、ダンボール箱は世の中になく、輸送用の箱はすべて木製。カリモクではトヨタ系各社で使う木箱を大量に作っていて、専用の工場もできました。

1951

ミシンのテーブル部分を手がけるようになりました。梱包用木箱よりも細かく高度な木工技術が必要で、これを機に塗装の技術力も上がりました。

1951

ミシンテーブルのほか、自動織機の木製部品の製造も手がけていました。製造したレバー類は、現在の刈谷市にある豊田自動織機製作所に納めていました。

1959

アメリカ向け家具の木製アームの生産が始まりました。このときは、まだアームだけでしたが、カリモクは少しずつ家具生産に関わり始めました。

1962

ピアノの鍵盤とアクションの製造がスタート。より高い精度が必要で、乾燥、刃物、研磨、接着剤などを見直し、カリモクの木工加工技術は一気に高まりました。

1962

下請けではなく「自分たちのブランドを持ちたい」との強い思いから、オリジナルの家具づくりに取り組み、「Kチェア」の原型が誕生しました。

2002

60年代に生まれたカリモクのオリジナル家具から、最も普遍的なデザインを選び、「カリモク60」として復刻、現代の生活に合わせた提案を続けています。

Point
of the
details

変わらないKチェア、その掛け心地を支えるシートの構造

1962年から同じデザインで作り続けている「Kチェア」は、発売当時と比べ、細部が進化しています。当時のオリジナルの掛け心地に近い感覚を大切にしながらも、今のカリモクの進んだ技術や研究を活かし、ロングライフデザインにふさわしい掛け心地と耐久性にするべく、改良が行われています。

1Sバネ (連結式鋼製組バネ)
山形に反らせたバネを木枠に付けることで、腰の沈みこみ過ぎを防ぐクッション性が生まれます。Sバネが単独で下がらないよう左右をワイヤーで固定。
2Sバネの取り付け
バネが擦れる音を軽減するためにシリコンを塗るなど、見えない部分にもたくさんの工夫があります。2008年から強化されたバネに合わせ木枠も強化。
3高密度ウレタン(黄)/キルトウレタン(白)
座面の生地の下のキルトウレタンによって、ボタン締めの部分にきれいな立体感が生まれます。2008年、高密度ウレタンはさらに密度がアップ。
4ボタン
職人が丈夫なナイロン糸で丁寧につけるボタン。使っていくうちに、ボタンを留めている糸がねじれて切れないよう、ボタン自体が回転する構造。
5張り地
ほどよいツヤのビニールレザーは、それぞれの時代の技術を使って改良されてきました。今では、厚さも増し、耐アルコール性の素材へと進化。
6裏張り用不織布
組み立て式の製品なので、組み立て時に視界に入る座面裏も不織布できれいにカバー。この不織布、ちょっとした当たりでも破けない強度があります。
  • 片山辰美Tatsumi Katayamaカリモク家具販売(現カリモク家具)OB

    1959年、豊明木工入社。初めて自社ブランドの家具製造を手がけようとしていたカリモクの工場の中に、椅子張りのラインを立ち上げた。このときの基礎が今のカリモク家具の総張工場のラインに受け継がれている。休日は、家庭菜園を楽しむ。

  • 林隆嗣Takatsugu Hayashi豊明木工OB

    1967年、刈谷木材工業(現カリモク家具)入社。上司のスケッチから「Kチェア」などカリモクオリジナル家具の図面を起こした。社内デザイナーが少ない時代、何百ページもの総合カタログのデザインを短期間で1人で仕上げることも珍しくなかった。退職後の趣味は、自転車だ。

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Text:
Yuko Shibukawa
Photo:
Shintaro Yamanaka