江戸時代から続く家業の材木屋「白半」に出生した加藤正平が、愛知県刈谷市に木工所を創業、カリモクの歴史が始まりました。
この時代、ダンボール箱は世の中になく、輸送用の箱はすべて木製。カリモクではトヨタ系各社で使う木箱を大量に作っていて、専用の工場もできました。
ミシンのテーブル部分を手がけるようになりました。梱包用木箱よりも細かく高度な木工技術が必要で、これを機に塗装の技術力も上がりました。
ミシンテーブルのほか、自動織機の木製部品の製造も手がけていました。製造したレバー類は、現在の刈谷市にある豊田自動織機製作所に納めていました。
アメリカ向け家具の木製アームの生産が始まりました。このときは、まだアームだけでしたが、カリモクは少しずつ家具生産に関わり始めました。
ピアノの鍵盤とアクションの製造がスタート。より高い精度が必要で、乾燥、刃物、研磨、接着剤などを見直し、カリモクの木工加工技術は一気に高まりました。
下請けではなく「自分たちのブランドを持ちたい」との強い思いから、オリジナルの家具づくりに取り組み、「Kチェア」の原型が誕生しました。
60年代に生まれたカリモクのオリジナル家具から、最も普遍的なデザインを選び、「カリモク60」として復刻、現代の生活に合わせた提案を続けています。
変わらないKチェア、その掛け心地を支えるシートの構造
1962年から同じデザインで作り続けている「Kチェア」は、発売当時と比べ、細部が進化しています。当時のオリジナルの掛け心地に近い感覚を大切にしながらも、今のカリモクの進んだ技術や研究を活かし、ロングライフデザインにふさわしい掛け心地と耐久性にするべく、改良が行われています。