木のはなし
「木と人の家具カリモク」の木についてお話しします。
広葉樹の森から考える、
昔と今の「よい木」
江戸時代から続く材木屋で、木工所としてスタートしたカリモクには、よい材料を使ってよいものを作るという理念がある。だが、よい材料とは何だろう。原点を追ううち、それはいつしか「よい木とは何か」という根本的な問いにつながっていった。
「木と人の家具カリモク」の木についてお話しします。
江戸時代から続く材木屋で、木工所としてスタートしたカリモクには、よい材料を使ってよいものを作るという理念がある。だが、よい材料とは何だろう。原点を追ううち、それはいつしか「よい木とは何か」という根本的な問いにつながっていった。
紅葉も終わりを迎えた北海道の広葉樹林。歩くたびに落ち葉がカサカサと音を立て、地面に目を凝らしてみれば、そこかしこにドングリが転がっている。なかには白い芽が飛び出しているものもあるが、そのほとんどが根づくことはないという。仮に運よく成長できたとしても、家具に使える大きさに育つまでには100年、200年という気の遠くなるような時間がかかる。
私が歩いているのは、富良野にある三津橋産業の社有林の一画だ。北海道士別市に本社を構える三津橋産業は、カリモクがテレビキャビネットを作っていた頃から木材を供給してきた。1989年には、カリモクと合弁で大成産業を設立。現在、製材の大半を大成産業に供給し、カリモクの家具作りを陰で支える企業の一つだ。
「長年にわたって、これだけ北海道のナラを使っているメーカーは、カリモクさんのほかにいません」と語るのは、社長の三津橋央氏。だが「長年」で、森を取り巻く環境は大きく変化した。家具用材となる広葉樹は戦後に伐採が進み、著しく減少。厳しい状況が続くなか、どのように木材を確保しているのだろうか。
木材をどのように調達されているのでしょうか。
ある程度、まとまった量を落札するんですね。1本1本、吟味して買うのかと思っていました。
良質な木を見極めるポイントはあるのでしょうか。
かつては、そうした良質な木はけっこうありましたか。
戦後、輸出によって資源が枯渇してしまったんですね。
三津橋産業さんが道産材にこだわってきたのはなぜですか。